• いたみちはる

コミックアート展V@銀座モダンアート


奥野ビル外観

銀座にある「奥野ビル」をご存知でしょうか。

とても大きくて古めかしいビルです。見た目は昭和どころか大正をも彷彿とさせるレトロな雰囲気。銀座に画一的に立ち並ぶオシャレなショーウィンドとは一線を画する容貌です。中に入るともっとノッスタルジックな気分に浸れます。

今回、ここで「コミックアート展Ⅴ」に参加してきました。会期は5月28日(月)~6月2日(土)と短いのですが5点ほどしか出展しなかったのでちょうど良かったのかもしれません。


左から、『思い出・三原色・空白』、『目に見えるもの』、『rainy girl』、『starry night』、『夏模様』

搬入は5月26日(土)。トランクケースに作品を入れていざ銀座三丁目へ。会場入りが19時と遅い時間でしたが結構作家さん集まっていました。

私も急いで展示をします。

今回の出展作品は

・目に見えるもの(F0)

・rainy girl(F0)

・starry night(F0)

・夏模様(F0)

・思い出・三原色・空白(F4)

の5品です。全てキャンバスにアクリル。そこに物体がコラージュした創作です。

『目に見えるもの』は製作過程の一部をtwitterに載せていましたね。ちょうど1ヶ月前くらいから作成していました。これ、モデルは私の漫画『blue teen』より主人公の邪馬田正男くんです。本当は背景にグリーンを入れていて青が少し透けるとグリーンが見える感じにしようかとも思ったのですが小品F0シリーズは背景の色を統一しよう、と思いすべて青に。というか濃紺ですね。メガネは本物です。ちゃんと度も入っています。キャンバスに縫い付けてあります。

キャンバス処女作でやや試行錯誤感があるものの結構気に入っていて、特に目に絵の具を塗りつけた時に完成の手応えを感じました。私たちは彼の顔を見ていますが彼は絵の具で目隠しされているので見えていないはずです。たとえメガネをかけても。こんなことって実はこの3次元の世界ではしょっちゅうあることではないでしょうか。でもちょっと視点を変えるだけで全てが見えたりするんですけどね。


『目に見えるもの』

『rainy girl』、『starry night』、『夏模様』、そして『思い出・三原色・空白』は今回唯一のF4サイズ(いわゆるA4サイズ大)で時計付き。この時計は本物で、ちゃんと時を刻みます。今回の作品群の中で構図、設計全てにおいて一番のお気に入り。黒いアクリルを使って線を描いたらあとは指で赤、青、黄の絵の具を塗っていきました

。本作は最も『5次元ユーフォリア』っぽい作品です。

図柄は愛ですね。便器の絵があるのはデュシャンオマージュとかではなく、blue teen 第1巻の表紙を意識したからです。1巻の表紙はすごく気に入っていてこの表紙をポスターにしたくらいです。便器と少女という構図が汚と聖、みたいな対比になっていて面白いなと思っていて。そして人物などに色彩を持たせずあえて色は色で分けてしまう。なのに過去、現在、未来は分けない。この矛盾したステージがまさに『5次元』で私の好きな空間だったりします。あえて空間と言いましたがもはや空間さえないかもしれません。それら見えないものを見るために『三原色』と『空白』が人為的に描き出されました。でもこの作品が完成する頃にはこれらの過程は全て過去の『思い出』になってしまいますね。


手動のエレベーター。結構重い。

銀座はとてもハイカラな土地です。

最先端の美が目に飛び込んできます。銀座の人々が長い年月をかけて築き上げた歴史がこの地に羨望を浴びるカラーをつけたのかもしれません。しかしいつかは場所に頼るのではなく作品のカラーだけで、どの土地においてもきちんと自分の世界観を表現出来る作品を作りたいな、などと思いました。搬出時、奥野ビルの古い手動式エレベーターに乗りながら思ったことです。

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